橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

プレーヤーとしての自分の動機を分析してみる

企画者としての自分、プレーヤーとしての自分

 ここのところ企画者側の立場で、「勝ち残り制」イベント以外の可能性をいろいろと主張しています。とはいえ、僕が普段楽しんで参加しているイベントは、まさしく「勝ち残り制」イベント。
 いろいろ主張してるやつ↓

diedie16.hatenablog.com

diedie16.hatenablog.com 
 企画者として「勝ち残り制」以外を推し進めたい自分と、プレーヤーとして「勝ち残り制」の中で活躍していきたい自分と、うまくバランスをとっていきたい。……ということもあり、企画者:プレーヤーの記事の割合を2:1~3:1にしていきます。

 まずはプレーヤーとしての自分の分析なんですが、ありがちな「得意/苦手なジャンル・傾向」ではなく、ちょっと違った切り口、「自分の志向・動機」というところから考えてみます。

クイズにおける「自分の志向・動機」ってなんだろう?

 10年以上前なので詳細は忘れていますが、かつて「能力や性格は歳をとるに従い変わっていくけれども、『こうしたら気持ちがいい』という潜在的な動機はなかなか変わらない」と採用試験の業者さんから聞きました。動機が強いことは積極的にやるから強みになっていくし、動機が弱いことは仕組みを作らないとなかなか改善されない、と。

 僕もその業者のテストを受けたのですが、「アイディア志向」「柔軟性」「新規・リスク志向」「社交性」「積極性」「影響欲(人に影響を及ぼしたい)」そして「復元性(ストレス耐性)」に関する動機がほぼ限界まで高く(能力が高い、ということではないですよ)、一方で「慎重性」「徹底性」に関する動機がほぼ最低レベルに低い、という結果でした。
 この手のテストは「自分が認識している自分」が反映される可能性が高い、それにバーナム効果というのもあるし、というのを差し引いても……納得……。

 そういえば20年前・新卒当時に受けたSPIの結果も出てきました。この時は「“起業家”型の性格」でした。今ネットでやったら「“討論者”型の性格」で、だいたいこの中間、というのが自己認識です。……周囲を振り回すタイプというのは自覚しております……。

 

 

 このような「動機」分析に近いことをクイズでもできないかな、と。「クイズでどういう場面だと気持ちがいいか」「動機は何か」は、強み・弱みにも直結するし、それを捉えることが適切な改善策にもつながると思いますので。

f:id:diedie_16:20180822161836j:plain

ラヴィリンス(大阪・西大橋)の「ネギまみれの肉キーマカレー(ニンニクの芽入りのスペシャル)」。カレーというより謎のアジアごはんという感じだが美味!次は他のカレーも食べたい。

 「クイズにおける動機分析(仮)」

動機分析の項目

 1(全く当てはまらない)-5(よく当てはまる)の5段階で自己評価。
 30分くらいでざっくり作ったものなので、もしどなたか(心理学に詳しい方とかで)「こういう項目があったら」「こんな分析ができるのでは」みたいなご指摘がありましたらよろしくです。

【知識面】

A.正確に回答したい
B.幅広い知識に対応したい
C.より深い知識に対応したい
D.「クイズ界」の正解率が高いものは、間違えたくない
E.「クイズ界以外」の正解率が高いものは、間違えたくない
F.時事的な話題は、間違えたくない

【早押し面】

G.より早く回答したい
H.早押しテクニックを磨きたい
I.形式での戦略を磨きたい

【機会面】

J.幅広い傾向で活躍したい
K.テレビに出たい
L.人前、ステージで活躍したい
M.たくさんクイズがやりたい
N.プレーヤーとして歴史に名前を残したい

自分がやってみると

高いのは赤、低いのは青で。

【知識面】

A.正確に回答したい→2
おおざっぱで、あまり「(人前で)間違える」ことへの恐怖はない。それより「知識量」志向で、「うろ覚えでいいからいろいろ知りたい」派。

B.幅広い知識に対応したい→5
「とにかく幅広く知りたい」意欲がものすごく強い。知らない知識に対しストレスを感じる方もいるが、僕はあまりストレスにならずに「面白い」「覚えよう」と思えるタイプ。

C.より深い知識に対応したい→3
前フリ系は好きだけど、「自分しか知らない深さ」よりは「幅」志向。

D.「クイズ界」の正解率が高いものは、間違えたくない→2
「クイズ界」の内輪で「これは知らないと……」みたいのに対する関心が薄い。なので、意外にベタ問を知らず他の方にびっくりされることがある。

E.「クイズ界以外」の正解率が高いものは、間違えたくない→5
一方で「その業界では有名」というものに対しての関心が高い(モノシリの問題コンセプトにある通り)。「その業界では有名だけど、クイズではまだ/あまり出てない」という知識を得るのが大好き。

F.時事的な話題は、間違えたくない→4
これも「一般社会で知られているなら」という意味で。「時事は覚えてもすぐに使えなくなるから……」という抵抗感は全くない。
ただ、一方で「クイズとして抑える時事」はあまり好きではない。時事チェックリストで対応できる定型時事(第○○回なんとか賞受賞とか優勝とか)よりは、「ネットや世間で話題になった結果、出題されるようになった時事」を答えたい。

【早押し面】

G.より早く回答したい→3
もちろん知識勝負で早く押せるのは気持ちがいいが、既出問題を「この言い回しだったら高い確率で○○」と研究するのは、正直あまり関心がない。

H.早押しテクニックを磨きたい→1
読ませ押し、ポイント研究、ゾーンスラッシュなどについて、自分は関心が湧かない(そういうのもクイズの楽しみ方の一つですし、好きな方々を批判するわけではありません。念の為)。

I.形式での戦略力を発揮したい→1
「戦略を駆使する」「少ない正解でも効果的に勝つ」「ここ一番で正解する」よりは、「たくさん知識を蓄えて」「たくさん正解する」、いわば「知識量を上げて正解数で殴る」タイプ。見ていて面白味が伝わりにくいやつ。

【機会面】

J.幅広い傾向で活躍したい→3
知識が発揮できるものならば活躍したいとは思っているし、大半のクイズにおいて「知識」勝負の要素がある以上頑張りたい。ただ、それぞれの傾向のエキスパートに勝って、すべての傾向で勝ちたいか、そのための努力を惜しまないかというと、そこまでではない。

K.テレビに出たい→1
たまたま機会があって「Knock Out」に出演させて頂いたが、いまのところ、テレビに出ることは興味がない。

L.人前、ステージで活躍したい→4
「ステージ」でも特に臆さないが、「ステージでない部屋」でもやりがいがある相手、面白い問題であれば全然構わない(だから複数部屋制を思いついた)。ただ、ステージ上の方が面白い相手・問題でクイズができるのは事実。

M.たくさんクイズがやりたい→5
やりたい。「テレビや人前でちょびっと」と「無観客でもたくさん」だったら、迷いなく後者を選ぶ(だからステージ型の「勝ち残り制」ではない方向を模索している)。

N.プレーヤーとして歴史に名前を残したい→4
企画者としてもプレーヤーとしても、何かを残せる人間になりたい。ただ、「企画者として」の部分よりは弱め。

どう改善に結び付けるのか

 基本「動機が強い部分」は放っておいても伸びて強みになるので、「動機が弱い部分」に由来する弱みにどう対応するか、です。

 こうみると、「正確性」に対する動機の弱さが、イベントにおける誤答の多さに直結している。また、「クイズ界での正解率」「早押しテクニック」に対する関心が薄いことが、定型文中心の問題になったときや、学生や中堅社会人と対戦したときに全く太刀打ちできないことにつながっている。

 一方で、「幅広い問題」を「ステージで答え」、勝ち進んで「たくさんクイズをし」「歴史に名を残す」という強い動機を充たすためには、これら弱い動機に由来する弱点をカバーしなければならない
 

 

 「負けて悔しい、今日から努力しよう」で自然と弱点を克服するような努力が強い意志でできるのであれば、こんな分析はしなくてもいい。
 ただ、自然にやると「強い動機」の方に引っ張られてしまう。僕であればモノシリ系の知識ばかりを蓄積してしまう。それでは「強みを伸ばす」ことになっても「弱みを埋める」ことにはならない。もともと「弱い動機」なのだから、それを日々やるには工夫や仕組み作り、マインドセットが必要。

 

 ……といったような流れで、次は具体的に「どこが現状の強み/弱みで」「具体的に何をやっていくか」を考えていきます。
 まあ面倒臭い考え方ではありますが、こういうやり方もありますよ、ということで、一つの参考にして頂ければと思います。