橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

クイズ工房Qraft(2) 「家族や(クイズ以外の)友達を連れてきやすいイベント」とは?その1

 「家族や(クイズ以外の)同僚が、クイズに興味を示した」
 そんなときに、どのような先なら連れていきやすいか。

 Qraftは、そういう方にとって「連れて行きやすい」先になりたいと思っています。
 また、Qraft以外でも、そういう先が各地で増えていってほしいな(サークルの特別例会など)、と思っています。

 

qraft.jimdofree.com

前提:「今クイズを楽しんでいる自分」の視点で【考えない】

 

 ではどうすればいいのか……を考えるときに、「今クイズを楽しんでいる自分」の視点だけで考えるとなかなかうまくいかない。自分は「すでにクイズが好き」で「そこそこ楽しめるだけの実力もあり」、そして何より「クイズに慣れている」からです。
 慣れている人が、「不慣れな人」の立場や、特に不安を想像するのは難しい。「かつての自分も不慣れだったから……」といっても、どこに不安要素や抵抗感を感じるかは人によって違います。自分が不安や抵抗を覚えなかったことが他の方にとってはそうでないかもしれない。
 さらにいえば、昨今は「プレーヤーとしてクイズを始める」以外の人も増えてきている。たとえば「最初は観戦からしてみたい」という人の気持ちは、今のクイズイベントの企画者(強豪が多い)は、努力しないとなかなか察することができない。

 

 

 そこで、「(クイズ以外の)新しい趣味に、自分が新しく入る」ことを想定します。「興味はあるが、自分にとって合うかどうかもわからない」という観点です。

 いろんな切り口から考えてみます。

 

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クラフトビールの場合、「少しずついろんな種類が飲める」飲み比べセットは、「飲んだことないビール・蔵に手を出す」という点で非常に効果的です。そしてクラフトビール沼にはまって8年……。(写真は「あわじブルワリー」)

 

1.負けてもいいが、全く手も足も出ないのは嫌。

 初めて何かをやるときに、その場で「トップになろう、なれる」と思うほど自信満々の人もいないと思います。「平均点とろう、とれる」という人もあまりいないでしょう。最下位でも楽しければいい、という人が多いかと思います。

 とはいえ、「1回もいいところがない」のだと辛い。まぐれ当たりだろうがビギナーズラックだろうが、2-3回はポイントをとりたい。さらにいえば、「見ていても何がなんだかわからない」だとかなり厳しい。 

 クイズの場合どうか?

・フルオープンは日本最強クラスの人までうようよしていていて、初心者が1問正解するのも大変。

・レベル別イベントも増えてきていますが、一方でレベルが高くなってきています。

・サークルも強い人がいた場合、早押しクイズであれば1問正解するだけでも大変(解答機会、正解数の均等化を考えているサークルは別ですが。詳しくはこちら)。

 

 Qraftで検討していること

(1)複数日程で開催し、日程によって「フルオープン」「ここ数年ペーパー抜けていない」「クイズ歴1-2年」というように設定し、「その日に来場する人の実力層」を細分化します。

(2)一日程は2-3会場で行い、部屋により「(その日の中で相対的に)実力が高い部屋/初心者向け部屋」を分けます(事前申告、新人王・早押王のように「実績によって部屋が代わるなど)。

(3)早押しについては「参加機会・正解数」を意識し、「全員に1問は正解して帰ってもらう」ことを目標とする。また、「1問につき1人しか輝けない」早押しだけではなく、早立ち・ボードなど企画での工夫や、発想系・ビジュアルなど問題での工夫を行う。

2.人前は恥ずかしいので、人目のなるべくつかないところで。

  初めての機会からいきなり「人前でもいい」という人はかなりの少数派だと思います。なので、初めて来た人に対して「では初心者の皆様、人前でやる大会で初めてみましょう!」ということはまずないと思います。基本的にはサークルとか体験講座、スクールなど「あまり人目につかないところ」「失敗しても見られないところ」で始めるのが一般的だと思います。

 クイズの場合どうか?

 「テレビに出たい」という動機で始めた人がどの世代にもいる(昔に比べると減ったと思われるが、今でも『高校生クイズ』などはあるわけで)ためか、初心者に対しても「じゃあ人前でなんかやってもらうか」という考えになりがちです。初心者限定イベントとか、学園祭のステージ型クイズイベントとか。

 もちろん「テレビに出ている非日常感」を求める初心者の方もいるので批判はしませんが、「クイズを始めたい」方向けのアクションは人前でない方が私はいいと思います。

 Qraftで検討していること

・1日程の人数は「48人」、2-3部屋とることで1部屋の人数を「24人」上限とします。そのことで、なるべく「観客」の存在を無くすようにします。

 

3.半日ずっとつぶれるのではなく、まずは1-2時間から。

 新しい趣味をやってみようと興味を持っても、うまくいくかどうかわからない。やってみたらさらにはまるかもしれないし、「これはやはり自分には無理」となるかもしれない。体験講座のようなものであれば、まずは1-2時間が限界だと思います。
 新しい世界に飛びこみたい、けど半日かかる、というと敷居は高い。

 クイズの場合どうか?

 クイズイベントは11--19時、しかも途中退出ができない、というのが一般的です。

 クイズサークルにしても半日まるまる使う、というのがほとんど。途中参加・途中退出を許可しているサークルでも、それを前面に出して告知しているサークルは少ない(用事があるときはやむを得ないよね、的発想)と思われます。 

 Qraftで検討していること

・「2時間の企画を3つ」(と空き時間のフリバ)という形で構成し、各企画ごとに参加費(500円前後)をとる形とします。そのことで「初めてクイズをやる人」の敷居を下げます。

・また、企画内容のうち特に「初心者歓迎」のものは、そのむね謳うようにします。

 

 

 

 いったんここで切ります。

 次回も、「家族や(クイズ以外の)友達を連れてきやすいイベント」という切り口で、Qraftでやるべきことを考えていきます。