橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

【mQ/ひとりモノシリ 03】自分と縁の遠い問題を作るには?

自分と近い世界/遠い世界

 自分と近い世界の問題は作りやすい。
 下記の左下「主宰紹介」にあるようなジャンルの問題群です。

hitori-mono.jimdofree.com

 一方、「幅広いジャンルから出題する」には、「自分と縁の遠い世界」に触れて問題にする必要がある。

 私は普段「触れる世界を広げる」ことを意識しています。

 

・図書館でいろいろな棚に行き、NDC番号がバラバラになるように借りる。

・雑誌も極力ジャンルを散らす。縁の遠い世界の専門誌(キャンプ、車、メイクなど)も読む。

・小説や漫画で触れた(特に会話で)出た単語から問題にする。「作家や漫画家が『自然な会話で出る』と見なした」フィルター、という考え方

・若手のTwitterで出た単語を検索。またTwitter検索や個人のblogを検索し「この情報といえば○○」「印象的なのは○○」を調べる。

・「クイズに縁遠い属性は?」と考え、その人が知ってそうなことを調べる。「高齢女性」「アウトドア好き」「美容師」など。

 

やってみての感想

 そう考えて下記stepsの問題を揃えました。「自分一人で今できるかぎりの」幅の広さは達成できたと思います。

diedie16.hatenablog.com

 とともに「自分と縁の遠い問題」を作ることの難しさと限界を改めて感じました。

限界1 ジャンルの制約

 努力及ばず、接点を持てないジャンルもありました。

 「ジャンル分類表を見て」「既出問題をもとに新たに作る」(「音楽-楽器」が出てないから、楽器についての問題を出す、等)のがよくある手だと思われます。

 私は苦手意識がありできていないのですが(これは課題)、これをやったにせよ、「既存のクイズでよく出るジャンル」以外は出しにくい。

 

限界2 切り口・フリの制約

 縁の遠い世界から問題を作ろうとした際、私の場合、「賞」「ランキング」「提唱者」「エピソード」など「自分が作りやすい切り口」に偏りがちです。

 最近は「本質」「その世界の人にとっての感情・感覚」を志向する問題集が多い。私も自分に近い分野であればできている自信があるが、遠い分野では「既存の切り口に安直に当てはめた問題」ばかりできてしまう。

 

 今回だと

「Q.YouTuber「ウチら3姉妹」の「とうあ」が動画中で用いたことで広まった、「気まずいさま」を指す流行語は何?
 A.きまZ(ぜっと)」

 

 「ランキングから出題し(他も一通り作った)」「広めた人をフリにした」問題です。私はYouTubeはほぼ見ず、日常生活で「きまZ」と聞いたことがない。その結果できた問題です。

prtimes.jp

 こういう問題を否定するわけではない。
 ・問題として成立をしている
 ・どこかで出題されたときに早く反応できるので、対策になる
 ・問題を作ったことで、新しい文化に触れるきっかけになる
 けど、「きまZ」という言葉を見聞きする人が出す問題には程遠いし、そうでない人でももっと近づく方法はあるはず……。

 

 他にも「自分と縁の遠い分野」の問題に対し、価値の判断や比較、問題選定などができるかの問題もありますが、それはまたいずれ。

 

今回「ひとりモノシリ」と「mQ」を2つやる理由

 「自分の縁の遠い問題」を作るには限界がある。であれば、多くの人から「自分の縁の近い問題」を出してもらえばいいんじゃないか……これがmQのきっかけです。

 下記問題集(他にもありますが、印象的なものを挙げます)は、自分にとって「そもそもそんな世界があるんだ!」という問題が出ていて、それを当然のように答える人がいる。
 また。同じ答えになる問題でも感性やフリが全然違う。

 さまざまな属性の多くの人のお力を借りて、そういう問題を集めたい。

booth.pm

booth.pm

booth.pm

 

 一方で、「僕の個性が出た問題」と事前に言った上で、別大会でやるのもアリでは……こちらはひとりモノシリです。

 

 mQは「クイズに慣れていない方も含めて」「いろんな属性の多くの人が」「その人にとって『既知』『当然』(できればクイズ的には『未知』『初耳』)のもの」を出しあう問題群。

 ひとりモノシリは「クイズ慣れした」「一人が」「未知の分野を積極的に調べて」作る問題群。

 それぞれに長所と短所・限界があり、両方の魅力を模索します。

 

……って文章を奈良との往復の電車で書いてるわけですよ。もうね、アホかと、鹿かと。