橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

【クイズ論】「クイズを5年以上続ける人を増やしたい」~そもそも「趣味」って、何年続けるのが普通なんだろう?

 学生スタートの方は「高校/大学卒業」で、社会人スタートの方は「5年前後」でクイズから離れる人が多い……という仮説を私は持っています。詳細はまた触れます。

 で、これを考えるにあたり、「他の趣味はどうなんだろう?」という点に疑問を持ちました。というわけで、こんな質問をしてみました。

  皆様から頂いた意見をまとめました。基本頂いたものは一通り掲載したつもりでおりますが、漏れがあったら申し訳ありません。また、mixiで投稿頂いたもののうち個人が特定できるものについては修正・削除したり、一つの書き込みを分散するなどの編集を行っており、生データではないことをご承知おきください。

 

【個人で行う趣味】

・読書35年
・RPG30年
・食べ歩き20年
・漫画15年
・日本酒10年
クラフトビール8年
・ゴルフ5年
・スパイスカレー4年
・漫画評論系ウェブサイト運営4年半
・ボクシング観戦5年強
・読書15年
・マンガ25年
・ロック音楽観賞20年
・卓球32年
・ダーツ10年
・将棋観戦17年
・読書19年
任天堂ゲーム20年
ラグビー15年
・ロッテの応援13年
・音楽(種類は問わない)15年
・温泉めぐり13年
・懸賞応募30年
・クイズ44年
・野球観戦36年
・アイドル6年
・競馬26年
・ボートレース5年
・競馬10年
・ライブ参加5年
・城攻め39年
ウイニングイレブン3年
・AKBグループファン3年
音ゲー20年
・生大喜利4年
アイマス10年
・MAD作成5年
ボルダリング半年
・謎解き(脱出ゲーム)5年
・スキー15~20年
・サッカー(観戦)16年、
・鉄道8年
・書道3年
・日本酒3年
・ディズニー好き25年以上
スターウォーズファン25年以上
カープファン(野球観戦)19年
・映画16年以上
・競馬予想15年
・プロレス10年
・パチンコ10年
・F1 3年
・リアル脱出ゲーム6年
・知恵の輪7年
・ディズニーリゾート30年
・深夜ラジオ9年
・クイズ31年
乗り鉄13年
・アニメ12年

 

【集団】

・妻との付き合い38年
・野球25年
・ヤクルトの応援団22年くらい
吹奏楽41年
・サッカー/フットサル(プレーヤー)11年

 

【コメント】

・自分の場合精魂込めてやり過ぎる上に、業界巻き込んでバズってしまって嫌気が差す出来事が頻発してモチベーションが下がる、というパターンでしたね。クイズが曲がりなりにも続いているのは意識的に手抜きしたからです。

・自分は親と一緒の趣味が続きますね。確かに他者と関わる趣味で長続きしたのはクイズくらいですね。

・自分の場合は精神病を患った過去があるため、脳内酷使が激しいパターンとなると心的ファクターでモチベがなかなか持たないのはありました。QMA&(AnAnも)が10年以上続いているのは、将棋盤と同じくトナメが飽きないからですかね。

ラグビーは、月1回は練習なり試合があった時期(15年程前から7~8年前ぐらい)から考えたら確実に頻度は減り、年1回ぐらい試合に参加出来る程度になりました。その試合も直前に日程が決まるので、先に予定が埋まっている(クイズもそれ以外も含めて)ことが多いのが現状です。

・野球にはずっと関わってますね。中学・高校・大学・職場の草野球で通算するとざっと25年ほど…ただそれ以外はいっちょ噛みが多くてどれも3年程度で飽きが来ます(笑)
 野球に限ってかもしれませんが、個人競技より関係性を理由に続けるケースは多いかもしれません。部活は強制的にメンバーが入れ替わりますが、草野球は野球そのものに加えて“この人たちと野球をする”部分が大きいかと。
 これを障壁と捉えるかどうかは個人の受け止め方次第な気はしますが、そもそも草野球になるとクイズ同様探さなきゃプレーする場所が簡単には見つからないので、しっくりきたチームには長くいようとする傾向が強いと思いますよ。体が動くうちは、とか。

・温泉は別にして、「のめり込み過ぎない」を心がけていると忘れた頃にやりたい欲が沸いてくる感じかな。

・ アマ将棋界の場合は、老若男女どなたでも自由で、やりたい人はやる、離れる人は離れるで、来るもの拒まず去る者追わずだと思います。やめるには未練がある場合もあれば、また帰還できる場がある環境であり、当然強制できるものではないと思います。新参者が現れると同時に何年かでおっさん化、それに伴う疲弊があるのでは?

・決して集団に入ることなく、1人だからこそのめり込める環境もあると思います。例えば、将棋ウォーズやみんはや、QMA、An×An、スプラトゥーンマリオカート対戦など、その場では1人ではあっても、オンライン対戦をする形で遠隔的コミュが交わされていると思います。ウェブ進化に伴うシフトチェンジでしょうか。

・どの趣味も細々とやっていますから退屈したことがないです。

・多分生涯現役。

・クイズ以外と書かれてるのですが、私に関してはクイズの話が参考になると思い書きます。最初は中2で始めて高2でやめてますので3年ちょっとだったことになります。大学受験はもちろんありましたが、やめた直接の理由は広い意味で「飽きたから」でした。知識が増えるに従いボタンが遅くなるのを理不尽に思ってました。
 大学で復帰しなかったのは、大学時代までクイズ漬けになるのが嫌だったからです。やれば絶対そうなるくらい好きなことなので、逆にやりたくなくなってしまったのでした。好きだからこそやりにくい、というのは以外とあることなのではないでしょうか。自分の生活を破壊してまではやりたくない、みたいな。

・まあよくここまで続いてるなぁ、って感じです。

・僕も山雅のサポーターグループの一員ですが、「趣味」と「生き甲斐」は別物という捉え方なので趣味としては挙げませんでした。 自分のいる団体は「来るもの拒まず去る者追わず」なスタンスで、やめるにも目立った障壁は存在しないように僕には思えます。 実際、団体から離れても一定の交流を持っている人も多数いますし。

 

 

f:id:diedie_16:20180912015952j:plain

ダルバート食堂(大阪・谷町四丁目)。「オススメの食べ方」が説明されているのが優しい……。

 

 【私見

今回のアンケートについて

・「クイズ歴が長い=もともと根気強い人が多い可能性」「そもそも辞めた趣味は記憶に残らない」「個人で続けられる趣味が多い」というのを差し引いても、まず一つの事実として、「10年以上続いている趣味を持っている方が多かった」です。

・なおこちらの調査でも「10年以上続く」というのが多い。

www.marsh-research.co.jp

また、「一番メインの趣味は5年以上続けている人が半数で、短いのは1-3か月で見切りをつける」というのもわかる気がする。

japan.cnet.com

・本題とは関係ない話、「インドア系」「一人でできる」ものが大半でした。これは「そもそも世間的にそういう趣味が多い」のか、「一人でできる趣味だから長続きできる」のか、「クイズと親和性が高い」のかは定かではないですが……。

 

冒頭の「卒業・5年でのクイズ離れ仮説」について

・僕が冒頭で述べた「高校/大学卒業」や「社会人スタート5年前後」でのクイズ離れ、という仮説については、本当に正しいのか統計できちっととれたわけではありません。

 「大学卒業までクイズを続けた人+社会人で新たにクイズを始めた人は、毎年50人近くはいるはず(abc等から推定)。一方で10年以上続けているベテランがクイズを辞める率は緩やかと思われる。にも関わらず、フルオープンの参加人数は大きくは増加していないし、社会人サークルの数もそれほど増えていない」というのは一つの論拠です。
 また、「新人王資格(5-6年)がなくなって早押王側になったらどうしよう?」という不安の声や、「大学卒業でクイズは引退する(高校生にとっての「引退」は意味合いが違い、「受験に向けての休止」の面が強いと思われますが)」という声も少なからず目にします。

 

 もちろん、「勝ち残り制」「No.1決定戦」のイベント参加以外にもクイズを続ける道はたくさんあって、一番はサークルでまったり続けることでしょうし(そういう方も多数存在します)、最近では商用イベントもあります。
 ただし、自分に合ったサークルに出逢える人、旧友や近い代の人とクイズを楽しめる人は少数派です。新しい人に出逢い新規サークルに入るきっかけとなる場、自分が「クイズ界」の一員である場として「イベント」は大変効果的であり、イベント離れがそのままクイズ離れになっている人が少なからずいるのでは、と推測しています(特に大学卒業時)。
 また、一度クイズから離れた人が戻ってくるかというと、
(あくまで私の肌感覚ですが)まだまだ少数ではないかと感じています。
 ここについては、またあらためてご説明します。

 

 一般的に「趣味なんて5年で飽きる」「5年やったら次の趣味に移る」ということであれば、「クイズも5年で離れる」のは致し方ありません。逆に「5年も続いてよかったね」「5年で辞める人が多いことを前提にした仕組み作り」というのも考えられます。
 しかし、今回のざっくりとした調査によると、どうもそうではなく、10年以上同じ趣味を続ける人が多いように思われます。であるならば、仕組み次第で、もっと多くの人が、もっと長くクイズを続けることは可能ではないか、というのが、今の私の問題意識です。

 

 仮に「クイズは5年で離れる」人が多いのが事実だったとして、その対応策も様々です。サークルを増やすための手段も必要でしょうし、そのためには早押し機だって必要になる。ただ、一方でやはりイベントでできることがあって、現状とは異なる新たなスタイルを追求することが必要だし、まだまだ可能性はある、と信じています。