橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

【突然クイズではない話】『カメラを止めるな!』がすごくツボだった件(途中からネタバレ部分は白字です)

 ・「企画者絡みの記事を2つup→プレーヤー絡みの記事を1つup」というバランスだと、「企画者として勝ち残り制イベント以外のアクションを起こしつつ、プレーヤーとて勝ち残り制イベントに挑むことを楽しむ」自分を表すのにちょうどいい。

 ・ここは「クイズ関係者(特に「自分はメインストリームではないのではないか」と悩んでいる人)」に対し、何かしらプラスになるものを書きたい。ので、普段の生活などクイズに関係ないことはmixiなどに書こう。

 

 ……と思っていました。今も思っています。基本はその運営でいきます。

 なんですが、今すごく書きたいことがあります。2日前に見た『カメラを止めるな!』が大変ツボだった、ということです。

kametome.net

 なおちょっとでも興味のある方は、公式のトレーラー含めて全てが「ネタバレ」につながるので、事前の情報なしに見た方がいい……とされています。正直なところ、僕は「ネタバレ」前提でも全然面白いと思うんだけど。

 

 
 「ネタバレ厳禁」とされている映画だけにあまり多くのことは言えないですが、ええと、すごくいろいろ言いたい。言いたいけど言えないんじゃ……mixiでもうっかり見てしまった人に迷惑なんじゃ……。

 というわけでまず言えることは「本当に面白かったです。いいもん見た。」だけで、本当にいろんな人に見にいってほしいです。で、どういう人に見にいってほしいかを言おうと思うと、……ああああああそれも言えないんじゃん!「僕が」「こういう点で」勧めている時点で駄目じゃん!!

 

 そしてふと気づいた。最近使いだしたここであれば、「まだ見る人は少ない」「文章の先について覚悟して見られる」そして「色を変えられるので(mixiは無料だと変えられないのです)ネタバレ関連のことも言える」ということに。よーしこれだ。これしかないわ。

 

 というわけで、「プレーヤー絡み」の記事でもないし、「クイズ関係者で悩んでいる人にプラスか」といえば……まあプラスだと思うんだけど……直結しない話題なんですが、他では書けない『カメラを止めるな!』の感想を白文字で書きます。
 なお分析系の記事はググればたくさん出てくるので、そちらをご覧頂いた方がいいです。僕個人の感想だけです。

 

 クイズ関係者で『私も感想を述べたいけど述べる相手がいない!』という方はぜひご連絡いただければ!
 なおうっかりこの記事が検索でヒットして、多数の方にネタバレするようであれば公開を止める予定です。

 

 

 

 

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 まだ下。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうちょい下。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あと少しです。ポン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここから白字ゾーンです。読みたい方は「Alt+A」などで反転なされよ。スマホだとようわからん。もう一度言うけど、見にいくのであれば予備情報無しで行った方がいい、と言われています。と言いつつ、「いろんな予備情報を持っていく」のも、僕はアリだと思ってます。そういう方には参考になれば。

 

 

 

 

叙述トリック」大好き、「裏話」「伏線回収」大好き、という人にはたまらないでしょうね。
 
というか「ネタバレ厳禁」というムード、「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」というキャッチコピーの時点で、「ああ、こういう展開だろうな」というのはほぼ予期していました。その上で見てたのですが、「どんでん返し」自体についてはそんなに意外感がないのですが、その後の伏線回収劇は見事だし、最後のハートウォーミングなオチも上手いなあ、と(なので、正直ネタバレ前提で見ても面白いと思う)。

 

・僕がまず想像したのは、ラヂオの時間をベースとして、『イニシエーションラブ』に始まる叙述トリックの数々と、そしてこれはあまり論及する人がいないようですが、辻村深月の初期のアレとアレ(何かは読んでいる人にとっては当然わかるので略)です。

 「善意の結果、背景で全然違うストーリーが進んでいて、最後でそれが明かされる」
 「最中に予期しないトラブルがいろいろ起きて、それを作り手がさまざな思いの中で解決していく」

 「最後に、部外者含めて伏線がうまく回収される」
 
というのが大好きあればドハマリするだろう、と思います。

 

・かつ、マイナーな俳優が熱演し、それぞれの思惑の中の群像劇で、絡まり合った伏線が回収され(バスケ部時代の話を子役にしてたの忘れてた!)、かつ最後はハートウォーミングに終わる……というと、彷彿とさせるのがゲーム『街』『428』で、この映画が面白かった方はぜひこの2作品を体験頂きたい、と力説します。絶対損させない、と断言する。
 上記2作品だったら「選択肢:アル中の話は聞かない」→ヤケ酒も飲まない→ラストシーンにつながる写真にも行きつかずBAD ENDとかそんな感じ。

 

 『街』『428』の出演者がプレイ後すごく気になったように、この映画に関しても監督・俳優をすごく応援したくなる。と言いつつ、『スカッとジャパン』を見ていて「ゴールデンで見るにはちょっと辛いなあ」と思いましたが。細井学さん(アル中のカメラマン役)の存在感だけは別格で、受け入れられやすい年代だけに、今後も出続けるとすればこの方なのではないか。一方で「本当に生き方が大変そうな」方も散見されますね……。

 

 

 

・そして、僕も映画に比べれば圧倒的にスケールは小さい&趣味の範囲とはいえ、クイズイベントという形で複数の人間の中でも「ものづくり」に携わっている人間です。曲者揃いの中で、トラブル続きの中、なんとか「ものづくり」を完結しようとする人間にとっては、本当に身につまされることが多い。なるほど、映画監督たちが絶賛するのは非常によくわかる感です。
 クイズ大会やっていると、本当に素で「カメラを止めるな!」と叫びたくなる気持ちがわかる。

 

 

 

 

・原案原作問題は正直どうでもいい、というか、叙述トリック大好きっ子からすると「正直よくある構造だなあ」と。ただこれを映画でやった、作り手と映画への愛をここまでこめて、というのは見たことないですが(多分過去にもあったんだろうな、とは思うけど、この映画の価値が損なわれたわけではない)。

 それよりも、監督が「I WANT YOU BACK風で発注した」エンディングテーマ、あっちの方が許されるのかどうかがちょっとヒヤヒヤする。いや購入考えるレベルで耳に残るいい曲ですけど!

 

intro.ne.jp

 

 

・あと、映画観終わった後は(酒飲みながら)ひたすら検索して回ってました。出演者の皆様からすると本当にバブルで、そして(表面上は)凄まじく楽しそう、というのが印象的です。アイコンがみんなイラスト、打ち上げが12時間、というのもいい雰囲気だなー。
 というか、アカウントとかbioに映画名と役名を盛り込むのって、若手クイズ屋が「@○○杯問読み」って書くのとものすごく近くて笑いました。うん、今はそれを主張すべきタイミングだ。

 

 

 

・伏線が巧妙に回収されていく快感、想定外のどんでん返し、というところだとやはり『イニシエーションラブ』の方が上ではあります(両作品とも「前半部分が投げ出したくなるほど退屈」というのは共通していますね)。けど、見終わった後の「見てよかった感」とかは、叙述系作品にはない、『街』『428』に近いものを感じました。
 そういう意味で、ワンアイデアだけでは決してなくて、総合力で面白かった一作、だと思っています。

 あとこの映画にハマった人は、ゲーム『街』『428』をやることと、初期辻村作品を一通り読むことを心からオススメします。この文章を要約するとこの一文に尽きる。

 

 (以上、白文字終わり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで以上です。よろしくでーす。
 しかしこれ、10年前だったらmixiのコミュニティが大盛り上がりだったんだろうなあ。僕もいろんな人と語り合いたくて、そういうときに「趣味だけでつながる」mixiって貴重だったなあ、と思うのです(「マッコリ連合」「倉橋ヨエコに注目する!」とかに入ってました)。

 ところで、この件でmixiといえば……と触れようと思ったけど、どこかで問題出してからにしようっと。突然(現・)クイズ屋が出てくる、という意味も含めて、秀逸なエピソードが一つあるのです。