ジャンル分け、考え出すと本当に難しいですよね。昨日半日くらいあれこれ考えてました。
僕は今まで「初期のabcのフォーム」を使っていて、これをモノシリとかにもそのまま踏襲していました。ただ、
(1)特定の中ジャンルが多くなりがち(食、会社・商品、芸能人、IT、医学あたり)
(2)時代の変化(ITやwebコンテンツの発展、ジェンダーなど)
(3)今回mQで、「幅広い人から幅広い問題を集める」のを試すこと
もあり、自分の中でのジャンル管理に若干手を入れました。
mQも初回はこのジャンル別区分でやります。見なくても全然問題提出はできますが、「なんでこんなジャンル区分にしてるの?」と興味ある方は見ていただけると幸いです。
なおabcスタッフさんはじめ、他の方への批判・意見の意図はまったくないむねお断りします。参考にしてもらえると嬉しいですが。
はじめに 参考にしたもの
・初期abc(今までのベース)
・今のabc
・STU(抜けているジャンルの補修。すごい網羅の仕方だ……)
・QMA
・図書分類(NDC)
・ユーキャンやカルチャーセンターなど、高齢者が活用する講座
・内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」
(1) 特定の中ジャンルが多い
○「企業・商品」は基本各ジャンルに。その上で区分できないものは、[公民・実業]の中に「経済-企業・実業家」と「経済-商品」を入れる。
ファッションブランド、食品企業、アニメ製作会社、ゲームメーカー、芸能事務所……などはそれぞれのジャンルにしました。ここらへんいつも「どっちに入れたらいいんだ」と悩んでいたのですが、自分の中でルール化しました。
このジャンル、と分けられないものについては、これまで[生活]の中に[企業・商品]として入れてたんですが、[公民]を[公民・実業]と枠を広げ、そちらで[企業・実業家]と[商品]の2ジャンルを設けました。学生さんがアカデミックな問題が増えるのと同様に、サラリーマンであれば実業系のことに意識を配る事が多く、会社や商品についての問題が増えがちだと思いますので。実業家についてもマスコミで取り上げられる事が多く、もっと出題されてもいいジャンルと考えます。
○「食」を、「食材」「料理・調理」「嗜好品」「企業・商品」に分ける
前の3つは今のabcに準拠。「食-企業・商品」というジャンルを入れたのがオリジナルです。これは(僕が食品業界で、食品に興味があるのを抜きにしても)、食品に関する企業・商品問題はかなり多いためです。コンビニスイーツとか、外食の新メニューとかチェーン店とか……。
○あらたに大ジャンル「IT・ネット」を設け、「ハードウェア」「ソフトウェア」「ネット-企業・用語」「ネット-流行」に分ける。
今新問を作ろうとすると、どうしてもITやネット関係の問題が多くなります。今までは「理系」の中に一括りにしていたのですが、実際「理系といいつつ大半はIT、しかもネットスラング」みたいなことがあり、別扱いにすることにしました。
○「芸能人」を、「お笑い」「俳優」「タレント・文化人」「アイドル」「海外芸能人」に分ける。
前の3つは今のabcに準拠。自分の環境だと「アイドル」が多くなりがちなので、ここは分けました。あとは「海外のお笑いとか俳優、文化人(オブラ・ウィンフリーとか)」どうしようと考え、「海外芸能人」というカテゴリを設けました。
(2) 時代の変化
○[芸能-Webコンテンツ][音楽-邦楽-webコンテンツ]
先程の[IT・ネット]以外に、芸能・音楽の中にwebコンテンツ系のものを新設しました。ここは明らかに出題頻度が上がっているからです。
○[公民・実業-LGBT・ジェンダー]
アウティングなどです。世間で言及されることが多い分野であり、「言葉」とか「ノンセクション」というより、一つのカテゴリを設けた方が良いと判断しました。
○[地下-性(18禁コンテンツ)][地下-殺人者・薬物・裏社会][地下-地下その他]
まず大前提として、僕は「現に存在しており」「名前もあり」「世間で話題になっているもの」は、全てクイズの対象になってもいい、という考えです。
そして、これだけ世の中に性に対する興味を持つ人があり(持たなければならない、ということではありません)、FANZAやソープは盛況を誇り、家庭や職場でも「あの殺人のニュース見た?怖いねえ」「あの議員のスキャンダル聞いた?ひどいねえ」というような雑談がされる以上は、僕はクイズでもこれらは出題されてほしい、と思っています。
一方で、「18歳以下が出る大会において、そういう問題を出すのはどうか」という観点もあります。また、「そういう問題が出ると楽しめない人がいる」のも、現実問題として理解します。
そのため、「ゾーニング」として、「地下」のカテゴリを設けました。そういうのが許される場なら適度に出すし、出さない方が良さそうなら出さない。さすがの僕も、地域最強位の問題に性にまつわる用語や殺人犯は出さない……。
(3) より幅広い出題……特にmQ対応
下記画像の黄色の部分が今回追加分です。
「今のクイズの属性に足りない人は、どういう人か」
「そういう人に向けた問題が、もっと作れないか」
「もっと作るために、予めジャンルを設定することで、『こういうジャンルもあるのか』『このジャンルが足りない』と可視化できないか」
という狙いです。
生活周りでは「育児・介護」。育児だと「母子健康手帳」「バビンスキー反射」(やった)以外にも、介護だと「ADL」「要介護1」以外にも、もっと出せる余地はあると思います。
娯楽・趣味は、「日本にはどのような人が住んでいるか」というのを想像しました。
・テーマパーク好きの人
・車やバイク、アウトドア、ギャンブル、釣り好きの人
・カルチャーセンターや自治体の教室で、陶芸や手芸(手織り、絵手紙、七宝など)を趣味とする人。イメージとしては中年~高年齢層
・福祉やボランティアに生きがいを感じる人
テーマパークとギャンブル好きはクイズ界でも何人か想像できますが、残りは正直クイズ界ではほとんど顔が浮かんできません。しかし、カルチャーセンターのホームページやユーキャンのサイトなどを見ると、現実にこういう娯楽・趣味の人はいます。
そして、こういうジャンルがまだクイズでは「掘りきれていない」のでは、という感です。
もちろんmQで出すのがこういう問題ばかりではないですが、ジャンル区分として設けることで、「一定割合はこういう問題を出す」「もし集まらなければ、そういうことを知ってそうな方に働きかける」ことを検討しています。
しかしそう考えると、「一大会で必ず1問盆栽問題が出る」と噂された一時期のSTU(最近は知らないですが)と似たところに着地してるな……。発想の流れは全然違うにせよ。
○Excelファイル
こちらです。自己責任でご自由にお使いください(abcなどから引用している部分もあり微妙ではありますが)。