橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

企画者モードになるときに考えている3つのこと

AQL、abc/EQIDEN、そして新元号「令和」……。あまりに盛り上がる話題が多いのを言い訳にこれまでお休みをいただいていました。なお仕事的には修羅場ではあった(といっても本当に修羅場の方にとっては大したことない)。

 

が、ようやく一段落した……ことにして、企画者としての神野モードにそろそろ復帰したいと思います!!(自分に言い聞かすように)
なお仕事的には修羅場、というか正念場なのは変わっていません。

 

具体的にやることは、4月中は「学園モノシリ/スピンオフ」(6月)、「地域最強位/新人王」(7-12月、ただし自分は旗振り役で実務はせず)、そして本家「mono-series」(9月)の3つです。
5月に入ったら、連休中にクイズ工房「Qraft」を進めようと思っています。目標は今年中にテスト企画実施、2020年に本格稼働。

 

その上で考えていることがいくつかあります。
これからの1-2か月、準備しつつ、告知を兼ねて連続でいろんな文章を書いていきますが、その前提になることです。

 

1.いろんな人のお力を借りる必要があるが、「義務感」「切迫感」ではなく、あくまで「楽しみながら」「自発的に」集める仕組み作り。

 

今、私がやろうとしている各プロジェクトは、いろんな方のご協力がないと成り立たないものです。

協力頂ける方にとって、「このイベントに協力すると、どういう楽しみがあるのか」「そのためには、どれだけ負担する必要があるのか」を、極力明確にしていきたい。人を巻き込むためには、それは一つの義務だと思っています。

 

2.「なんとかして成し遂げたいもの」と、「できればやりたいもの」を区分する。無理はしない。

 

モノシリでいえば、本家「mono-series」を全国6地区でやる、というのは、これは極力達成したいと思っています。そのためにはこちらからいろんな人に働きかけていきます。

 

ただ、じゃあ「スピンオフ/学園」はどうなのか、というとそうではありません。極力多くの地域でやりたいけれども、もし兼任スタッフや参加者が集まらないのであれば、無理して開催はしない。
人数が少ないのであれば、問題と企画だけ渡してフリバのような形でもいいのかな(表彰対象にはしない)、とも思っています。

 

自分一人が無理して何とか実現する(2018年に『学園mono-series』で5地区回ったように)ことも不可能ではありませんが、今年はそのやり方はとらない。こちらから「こういう楽しみ方、魅力があるよ」と伝えるところは一生懸命やるけれども、それでも伝わらないのであれば無理はしない。

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南船場ゴヤクラ」の麻辣カレー。和レー屋と名乗るだけあって、カレーじゃない(スパイシーな肉丼みたい)ようでやっぱりカレー。後味が実に爽やか!これはまた別のカレーを食べに来よう。

 

3.「少数派」「野党」であることを自覚する。けど、卑下はしない。「自分が楽しい」と思うクイズを、臆せず表に出す。

 

今、主流とされる(と思われる)「短文基本」クイズ

今、クイズを楽しむ方の大多数が「クイズ」と言って思い浮かべるのは、おそらく「短文基本」と言われるジャンルのものと思われます(あくまで私個人の意見です)。
・観客として見ていても楽しい
団体戦にも向く
・初心者が見てもある程度理解できる
・「スポーツ」のようなスピード感や情熱がありわかりやすい
……などなど多くのメリットがあります。

 

一方で、神野自身がやりたいクイズ

ただし、私は「短文基本」クイズを楽しんでいる一方、一番やりたいクイズはそれではありません。
・初心者の方にとっては難易度が高め、全く聞いたことがない単語が連続することもある。「(勝つためには)知らなければならない」知識ではなく、「知っていたらすごい」知識、という価値観
・『クイズのための努力』が反映されるとは限らず、『クイズ以外から仕入れた知識』が活きることが多い
・企画者と傾向が合えばたくさん正解できるし、合わなかったら全く太刀打ちできない=競技としての「客観性」は比較的弱い
・なので、勝ったからといって努力を絶賛されるわけではない(企画者と合ったんだね、運だよね、と言われる可能性もある)
・スポーツ的な「スピード感」「勝利への情熱、そのための努力やドラマ」には欠ける
・1問1問の間に、勝負とは関係ない雑談や周辺知識が飛び交う=人によってはまどろっこしい(「解説はどうでもいいから1問でも多く出してくれ!」と時々言われます)

……私にとって一番好きなクイズはそういうものです。

クイズ=競技/スポーツ?それ以外のもの?

「競技/スポーツとしてのクイズ」からは程遠いよね、と感じる方もいるかと思います。そう、そもそもが「クイズ=スポーツ」とは私はあまり考えておらず、「クイズ=共通化かつ差別化できる話題を使って盛り上げるための、コミュニケーションの手段」と捉えているところがあります(「クイズ=スポーツ」も一つの考えであり、否定するものではないし、自分もプレーヤーとしてはどっぷりつかっている面もあります)。

で、これはすべてがイコール『mono-series』ではありませんが、かなりの部分がそれに近いのはご理解いただけるかと思います(一方でモノシリは、一つの「競技/スポーツ」としても捉えられると思っています)。

 

多くの人に受け容れられやすいのが「短文基本」クイズであるならば、「短文基本」クイズの隆盛が、イコール「クイズ業界」の発展につながる。

 一方で、多くの人にとって受け入れられやすい「短文基本」クイズが盛り上がることで、クイズ業界全体にプラスになるのであれば、その力になりたい、とも思っている自分もいます。
業界全体が活性化して人数が増え、そのうち何%かでも自分のクイズに興味を持ってくれれば……という考え方です。
実際、ここ数年特に地方でモノシリが成り立っているのは、「短文基本」クイズの人口増と密接な関連があります。

プレーヤーとして「短文基本」クイズに参戦しつつ、「短文基本」寄りの「地域限定最強位/新人王」を主導し、「AQL」「abc」などをお手伝いしているのもその一環です。

 

けど、「短文基本」だけではない「幅の広い」クイズ界は、多くの人をより受け容れることができる。

「クイズ」にはいろんな幅があるべきだし(なぜ「統一」ではなく「多様性であるべき」かは、また稿を改めます)、「短文基本」クイズを軸として業界が発展するにせよ、「それが唯一」でない雰囲気にしたい(そう思っている人はごく僅かでしょうが)、と思っています。

そして、このことは「短文基本」クイズを好む方にご配慮いただきたい部分であるとともに、「短文基本」クイズ以外を主に好む、いわば「少数派」「野党」である自分だからこそ貢献できることだと思っています。

 

「少数派」「野党」の自分がやらない方がいいこと、自分だからこそできること

「少数派」「野党」である以上、「主流」のクイズのような盛り上がりは得られないのは当然のことです。自分も心が弱ったとき、「自分が無視・否定されたような気分」になることもなくはない。
しかし、そこで焦ったり苛立ちを見せてしまうことは、より「自分が好むクイズ」から人を遠ざけてしまう(既になっている、というご指摘はごもっともです)。

 

自分が「少数派」「野党」であることは自覚する。
しかし、それに卑下することなく、「自分が楽しい、と思えるクイズ」を、自分から多くの人に率直に提供していく。「今のクイズは~だからダメだ」ではなく、「他にもこういうクイズの楽しみ方もあるよ」というスタンス。

そのことが、「より幅が広く」「より多くの人が楽しめる」クイズ界の実現に繋がっていけると思っています。

 

 

「少数派」「野党」の自分が、誰かの役に立てることがあるとすれば、そういうことだと信じています。

結論は:「スタッフ募集してます!」

そんなこんなで、4月は「学園モノシリ/スピンオフ」「mono-series」「地域最強位/新人王」の準備を進めていきます。もし「興味がある」「力を貸してもいい」という方、ぜひ各サイトの窓口にご一報いただければ幸いです!

gakuen-mono.jimdo.com

mono-series.jimdo.com

local-quiz.jimdo.com