橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

【新クイズイベント】久々のクイズの人に勧めやすい場とは?(2)一つの意見として、神野が思っていること

 前回は「久々のクイズの人に勧めやすい場とは?」ということについて皆様の意見をご紹介しましたが、今回は一つの意見として、神野だったらこうする、という話です。

diedie16.hatenablog.com

「人による」要素が強い分、選択肢は広くあるべき

 ふわっとした質問をしておいてなんですが、「人による」部分は大きいです。もともと「どのような傾向が好きだったか」という軸もあるし、「昔の仲間とわいわいしたい」「久々に真剣勝負を体験してみたい」「弱くなった姿を見られたくない」など。「サークル」に参加する方が気が楽という人もいれば、しがらみを嫌って「イベント」の方がいい、という方もいます。人それぞれ、です。

 絶対的な解はない以上、いろんな人に対応するためには、いろんな選択肢があるべきです。
 ただ複数の選択肢の中でも「比較的多くの人に受け容れられやすい」解はあって、それを「仕組み」として用意するのが一番効果的ではないか、と思います。

サークルがベストだが、「中心人物」の行動力に依る以上、イベントは必要

 で、一番受け入れやすいのは、「同期や元々の仲間がいるサークル」だと僕も思います。その次が「まったりクイズを楽しめるサークル」でしょうか。
 サークル(同期会でも良い)の絶対数を増やすために、「ローコストで運営できる仕組みを共有する(早押し機共有プロジェクトもその一環)」ことが必要になってきます。ここはQuiz Doでできることはまだまだある。

 ただ、そのようなサークルや人脈がある人は、現状「幸運」です。どれだけコストを下げても、結局のところ「やろうと思う中心人物」の行動力が大きな要素となるし、そういう人に恵まれるとは残念ながら限らない(ただ、ローコストのノウハウの共有は、「背中を押す」ことにはなると思っています)。

 である以上、「イベントとして受け容れやすい仕組み」が必要だと思います。その上で、「イベントで出会った人の紹介で、どこかのサークルに参加するようになる」形がベストかな、と。

 

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いろんな選択肢がある方がより多くの人を受け容れられるのは、クイズもクラフトビールも同じ。その上で「苦味が苦手な人でもバナナ風味で飲みやすく」「一般的なビールのイメージと大きく異なる」へるんのヴァイツェンや、アールグレイやグレートブルー(左に映ってる青いの!)など幅広い城端麦酒を、「クラフトビールの楽しさ」を知ってもらうために僕はよく勧める。クイズではどうだろうか。ここで過去問:「『松江地ビール ビアへるん』の『へるん』って何?」

 具体的に、どのイベントならいいか。

「早押しの機会が確保されている」
「早押し以外の全員参加ラウンドもあるといい(ペーパー以外で)」
「できれば人数は多すぎず、50人程度がいい」
「あまりステージで煽り立てない方がいい」
「短時間でも参加可能」
と考えています。

 で、実際の大会でこれに全部該当するものは僕は思いつきません。伺っている限り商用イベント(ラボクイズ、クイズコレクション)が比較的近いかなと思っていますが、ここは話を聞くだけで自分も直接見ていないのでコメントは控えます。近日中に一度拝見したいと思っています。

 現状自分が知る限り、部分的に一番該当するのは早押王やモノシリです(手前味噌!)。
 が、早押王は「ガチムードが強い」「『0勝4敗』など厳しさを突きつける」一面もあって(もともと「真剣勝負の上で」「自分が○位なのかをはっきり出す」という設計なわけですし、批判ではないですよ!)、それに耐えられる人かどうか・どうフォローするかは判断次第です。あとはスピード勝負であることは覚悟する必要があるし、エントリー枠が兼任スタッフだけでもすぐに埋まってしまうので、現実問題「気軽には」誘いづらい。。。
 モノシリについても、「わからない」ということを楽しめる人だといいのですが、「わからない」ことをストレスとして感じやすい方(実力とか知識量とは関係なく、ここは適性はあると思います)には厳しい。ここも人によるところです。僕自身、万人向けではないと思っています。

 あと1日まるっと参加してくれるのかどうかかな、と。とはいえ早押王は「拘束時間が他より短い」、モノシリは「途中参加・退出可」なので、この点は他よりも勧めやすいポイントではある。

以上を踏まえて、自分がやろうと考えているもの

「早押王のような多部屋制で、現状のレベルにあったクイズができ」
「クラス別で、それぞれのレベルに合わせて真剣勝負の早押しを楽しめて」
「早押し以外にも、全員参加の早立ちとか発想系ボードがあって」
「途中参加・退出でき、短時間でも参加可能で(できれば「短時間なら安い」方がよい)」
そして「久々の人でも楽しめる配慮がされ」「久々の人も歓迎することが告知されている」

 ものがあれば、久々の人にとってベストかな、と僕個人としては思っています。そして既にふれたとおり、この「ベスト」の形は(商用イベントを除くと)現状ない。もちろんこれは「僕個人の考え」でのベストであり、他にもいろいろな選択肢はあるものだと思います。

 

 そして一つ一つ分解すると、実はそれほどのコストをかけなくても、実は過去のノウハウ、つまり「枯れた技術の水平展開」の組み合わせでなんとかなります。
 あとは「短時間でも参加しやすい=企画ごとの課金」とか、「久々の人にどう告知するか=人を誘いやすい雰囲気作り」とか、そういう新しい要素(既にあるかもしれません。前者は映画で言うところの「欽ちゃんのシネマジャック」ですね)をどう練り上げていくか。

 ここにまだクイズ界に貢献するチャンスがあるし、2019-20年にまず自分がやりたいのはこの部分の話になります。

Uchidaさんからのご指摘について

 

 というご指摘もありました。ご指摘ありがとうございます。
 しかし無謀とは全く思いません。「複数会場制」も「早立ち」も、当初は肯定的な意見は皆無でした。「小部屋の7○3×なんてサークルでやってる。受けるわけがない」「『ボタンの代わりに立てばいい』なんてふざけてるのか」そして「そんなイベントは無謀だ」と複数の人から言われました(Uchidaさんからではないので念の為……)。結果どうだったのか?本当に無謀だったのか?皆様ご存知の通りです。


 確かに「数年のブランクがある人にどう勧めるか」は今後の検討課題です。別面から考えると、今クイズをやっている人に、「昔の友達に紹介してもいい」と思ってもらえるだけの魅力があり、かつ「紹介したい」と思わせるモチベーションをどうかきたてるか。
 「準備側の相当の負担がかかる」のは、僕はそう思いません。分担の仕方によっては、既存イベントと比べると(総和は変わらなくても)一人あたりの負担を大きく減らし、安定継続するものは作れると思っています。具体的にどう減らすか、はあらためて触れます。

 進めて行く中で解決しなければならない、大きな課題。

  なお、実はこの話の流れには、大きな欠点があります。それは「実際に離れていて、戻って来た人の話をほとんど聞けていない(2件のみ)」ということです。上記でご意見頂いた方は、自分含め「クイズにずっと残っている方」の意見であり、生存者バイアスは差し引いて考えないといけない(たとえば「早押しをとにかくやれる場」というのは、「早押しについていける人」の考え、という視点は忘れてはいけないと思います)。

 事前にもOBOG会などのルートを使って、僕なりに下調べをしていくつもりでいますが、それにも限度があります。この手のアクションを起こしていく中で、お会いした方にいろいろと話を伺いながら、より良い形に向けてブラッシュアップしたいと考えています。