橙武者クイズ文章置き場

クイズ企画者・プレーヤーの橙武者(神野芳治)です。Twitterでつぶやくには長すぎる文章をこちらに置いています。

【長野市オープン】(1)どんな「目的」のためにやるのか?

 今年7月7日(土)、「長野市オープン」を開催しました。
 「よくある一クイズイベント」としてだけではなく、「交流のきっかけ」「(特に県内勢にとっての)新たなクイズのきっかけ」そして「クイズイベントの新たなスタイルの定着」としても機能するよう、いろいろと考えて開催しました。
 数回に分けて、その点をご説明したいと考えています。

nagano-quiz.jimdo.com

開催するきっかけ

  今回「長野市オープン」をやろうと思ったきっかけは、まず「自分が長野市に住んでいるうちに、県内勢も遠征勢も楽しめるようなクイズの場を用意したかった」という単純な思いに基づくものです。
 そのあとに、「今のクイズ界において、何が求められているのか」を考えた結果、今回のイベントのコンセプト・内容になりました。

 

 これまでの長野県内でのイベントは大半が松本市で(特急で40分、鈍行で1時間半ほど)、長野市で開催されたイベントは知っている限りジャンル限定の「咲オープン」だけでした。
 「今のクイズ界において、何が求められているのか」という観点からすると、「長野市でイベントを開く必要性」はけして高くありません。ただ、「自分が長野市に住んでいるうちに、県内勢も遠征勢も楽しめるようなクイズの場を用意したかった」という思いで開催に突き進みました。

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トップ画面の背景には、長野市関連の画像をフリー素材サイトからダウンロードし使用しました。善光寺以外はなかなかメジャーなのがなかったが、かといって長野市以外のものを使うのも……。

何をするにも、まず「目的」ありき。

 イベントを開く「きっかけ」はさまざまです。単純に「楽しそうだから」という動機もあるし、「○○の喜ぶ顔がみたい」「こういう効果を上げたい」という結果からの逆算もあるだろうし、人によっては「他でもやってるから、うちも」というのがあるかもしれない。
 何かをやろうと踏み切るときは、「ロジック」だけではなく、やはり「感情」にも大きく左右される。

 

 でも、せっかくやるのであれば、「楽しそうだから」「やりたいから」だけではなく、極力大きな効果を発揮したい。それは「来ていただいた方に楽しんでいただく」のもそうだし、あわせて「クイズ界にプラスの貢献をする」のもそう。
 そのためには、「感情」だけでは駄目で、やはり冷静に「状況」を見て、一つ一つ「ロジック」を組み立てていかなければならない。

 

 ということで、まず、あらためて「どんな目的で、僕は『長野市オープン』をやろうと思っているのか」というのを考えました。そして、「『長野市オープン』をやることで、何を伝えたいのか、何を実現したいのか」を。逆に考えれば、「『長野市オープン』をやらなかったら、何が伝わらなく、何が実現されないのか」(そしてやらないとしたら、他の手段で代替可能なのかどうか)。

 

 もし目的を整理せずに、「長野でなんかやりたいから、やる」だけであったら……よくあるスタンダードな「勝ち残り制」イベントを長野でやって、いつもの遠征勢がステージ上でたくさんボタンを押して、いつもの遠征勢が準決勝・決勝の大半を占めて、いつもの遠征勢のうち誰かが1勝増えて終わり。飲み会まで行けばいつもの遠征勢と初対面の方が交流できるけど、会場ではなかなか交流できない……というものだったかもしれない。

 自分も明らかに「いつもの遠征勢」の一人ですし、また、他の「勝ち残り制」イベントを批判するつもりはありません。スタンダードな「勝ち残り制」イベントをやる動機と目的がある人もいるし(僕も「地方限定」なら自分が開催する動機と目的があります)、メリットはたくさんあり、そういうのを望む人もたくさんいる。
 次回以降触れますが「いつもの遠征勢」が活躍するのを見たい人もいるし、普段はなかなか対戦できない「いつもの遠征勢」と対戦したい人もいる。その刺激が普段のクイズ生活にプラスになることもあるだろう。

 ただ、自分はそういうものをやる動機も目的もなかったし、労力をかけてやりたくはなかった。だから、新しいスタイルを生み出した(完全オリジナルではなく、もちろんRiverside Quiz Festa in Asahikawaなど、多くの先人たちを参考にしています。「巨人の肩の上に乗る」とはまさにこのことだと思います)。
 目的をあらためてじっくり考えたことが、新しいスタイルを生み出せた要因だと思っています。

 

長野市オープンの「目的」

 コンセプト欄にも掲載しましたが、「目的」を3つの軸で整理しました。

nagano-quiz.jimdo.com 

(1)クイズ面

○「今、長野で行われているクイズ」を紹介。

○幅広い実力層・スタンスの人がそれぞれに楽しめる。

○「地方主催」「サークル主催」の、省力化された新フォーマットの提示、各地方への波及。 

(2)交流面

○長野県内のプレーヤーと、遠征勢のプレーヤーとの交流促進。

○遠征勢のクイズを見ることによる、県内プレーヤーへの刺激・活性化。

○終了後は長野駅周辺で懇親会を予定。

 (3)観光面

○クイズプレーヤーの皆様に、(これまでクイズイベントがほとんど開催されてこなかった)北信地区にいらしていただく。

○翌日は、長野・小布施・野沢温泉など北信地区を堪能していただく。

 

 このうち「(3)観光面」についてはこちらがどうこうできることではないので(観光アテンドとかは考えましたが、体力的に無理でした)、イベントを組み立てる上での具体的なアクションは、「(1)クイズ面」と「(2)交流面」の2つを考えていきました。
 上記の目的を達成するために、具体的にどうしていったらいいのか。それはよくある「勝ち残り制」イベントで達成できるのか、それとも他のスタイルが必要なのか。

 そういったことを次回以降触れていきたいと思っています。イベントを作り上げるにあたり、一つの参考になれば幸いです。